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吉田 勝
JAERI-M 8766, 110 Pages, 1980/03
低温で結晶化せず、安定な過冷却状態になり、低温重合反応性が大きい特徴をもつガラス化性モノマーを利用して、これと生物活性物質の混合物に低温で照射して放射線重合させる方法により広く親水性および疎水性の合成高分子担体に酵素、生理活性物質を固定する研究を行った。この方法の特徴は、低温反応のため放射線、熱による生物活性物質の失活がないこと、複合体内部に不純物が混在しないこと、固定化の担体として材質および加工性の変化に富んだビニルポリマーの適応性が広いこと、生物活性物質を担体表面もしくは内部に均一に分散させることができる。第1編は比較的分子量、分子サイズの大きい酵素を固定し長期連続酵素反応を行い、第2編は制癌剤に徐放性と特効性を付与させ副作用なしに効率よく作用せしめることを目的とし、基礎的研究を行った。
嘉悦 勲; 吉田 勝; 熊倉 稔; 山田 明夫*; 桜井 靖久*
Biomaterials, 1(1), p.17 - 22, 1980/00
被引用回数:16 パーセンタイル:69.27(Engineering, Biomedical)マイトマイシンC,アドリアマイシン,FT-207のような多成分制癌剤を重合物の存在下ガラス化性モノマーの放射線重合によって単一マトリックス中に包括した。各々の制癌剤の溶出挙動はマトリックス中に含まれる三つの制癌剤の組成,含有量によってコントロールできる。そして各制癌剤の溶出速度は吸着剤の添加によって抑制され、pore-making剤の添加によって加速された。一方、MMC ウロキナーゼのように著るしく異なった分子量を有する薬物の溶出についても検討した。この場合二重包括法を用いることにより、両者の薬物の溶出をコントロールできることが判明した。また、マトリックスの構造は電子顕微鏡を用いて検討した。さらに、マトリックスの抗凝血性(thrombogenicity)についても調べた。
嘉悦 勲; 吉田 勝; 山田 明夫*
J.Biomed.Mater.Res., 14(3), p.185 - 197, 1980/00
被引用回数:33 パーセンタイル:82.96(Engineering, Biomedical)低温放射性重合法を用いて種々の制癌剤をポリマーマトリックス中に包括し、その薬物に10~60日の除放性を付与した。特に本研究においては、膜状,棒状,粉末状,マイクロスフィア状,錠剤状のマトリックスを合成し、溶出挙動を調べた。また、Higuchi式を用いて動力学的な解析も試みた。ポリスチレンを含むグリシジルメタクリレート系をキャリアーとした場合、低温放射線法で得られたマトリックスは電子顕微鏡による観察から1~4mの球状グリシジルメタクリレートポリマーの集合体から成り立っていることが分った。この場合、ポリスチレンは球状グリシジルメタクリレートポリマーを被覆した状態で存在する。このマトリックスからの溶出挙動を他の形態のそれと比較検討した。
吉田 勝; 熊倉 稔; 嘉悦 勲
Polym.J., 11(10), p.775 - 779, 1979/00
被引用回数:11制癌剤である5-FUの包括は吸着剤の存在下,-78Cで2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)のようなガラス化性モノマーの放射線重合によって行なった。マトリックスからの5-FUの溶出は種々の吸着剤の添加によって抑制された。そして溶出速度は吸着剤濃度の増加と共に減少した。一方、吸着剤を含むマトリックスからの5-FUの溶出挙動はHiguchi式を用いて動力学的に解析した。また電子顕微鏡による観察から、吸着剤はマトリックス中に均一分布していることが分った。
吉田 勝; 熊倉 稔; 嘉悦 勲
薬剤学, 39(2), p.69 - 74, 1979/00
低温放射線重合によって調製したコポリマー複合体からのKClの溶出挙動を検討した。このコポリマーからのKClの溶出速度はNoyes-whitney式に基づく一次式によって説明し、複合体の膨潤性と関係づけた。親水性モノマーのHEAと多官能性モノマー(HEMA,DGDA,TMPT)との共重合系の場合、KClの溶出は多官能性モノマーの組成が増加するほど、さらに多官能性モノマーの官能基数が増加するほど減少する傾向を示した。一方、疎水性モノマー同士の共重合(GMA-DGDA)の場合、KClの溶出は50%DGDA-50%GMAモノマー組成で極小となった。